量子情報処理プロジェクトにおけるアウトリーチ活動
最先端研究開発支援プログラム、量子所情報処理プロジェクト(以下FIRST-QIPP)では、その対象を大学院生、大学生、高校生、中学生、小学生、一般市民と広くとらえ、対象に応じた様々なアウトリーチプログラムを実施している。特に、研究者が教育の現場に出向き、顔の見える双方向のコミュニケーションを大切にしたアウトリーチ活動に力を入れている。このようにして、教育現場からのフィードバックを、我々のアウトリーチ活動の改善のみならず、自身の研究活動にも反映させることを意識している。
~ FIRST-QIPPが特に力を入れているアウトリーチプログラムの代表例 ~
【大学院】 本プロジェクトの代表研究者である山本喜久教授が研究総括であったJST/CREST量子情報において、「量子情報未来テーマ 開拓研究会」として2004年に発足した、大学院生・ポスドクのためのサマースクールを 引き継ぎ、2010年夏にFIRST-QIPPとしては第1回(通算5回目)の夏期研究会を開催した。2008年に発足した大学院生が独自に企画運営を行う若手研究会「関東/関西学生チャプター(SC)」は、関東と関 西に2つの拠点を持ち、1年に4回ほど口頭・ポスター発表、研究室見学会を行い、量子技術に関わる物理・化学・応用数学・情報 科学などの広い 分野から若手研究者が参加している。2010年には、大学院生・ポスドク用の量子情報レクチャーシ リーズとして、様々なテーマごとに講義ノートの配信を、FIRST-QIPPホームページ( http://first-quantum.net/ )にて開始した。
【高等・中等・初頭教育】 スーパーサイエンスハイスクール(SSH)を中心とした高校での研究者 による出張授業を今年度は全国8校で実施(下記)。また、国際物理オリンピックの日本国内予選などにおいて、量子干渉の実 験と映像を使ったデモンストレーション、ポスターディスカッションを行った。特に学校現場で慢性的に不足している実験デモンストレーションを 中心に、物理の楽しさが生徒に伝わるような授業を目指して、小学校での理科支援・特別 授業などにも取り組んでいる。今後、高等・中・小学校と連携を図り、最先端の研究状況に 関心のある物理・理科の教員の方々のための研修会も進 めていく予定である。
【HP・ニュースレター】 上記ホームページと、四半期ごとに発行しているニュースレターで、アウトリーチ活動を随時報告している。
<高等教育におけるSSH出張授業、今年度(平成22年度)の活動状況(予定も含む)>
実施校(全8校) : 広島大学付属高校、長野県屋代高校、大阪府立天王寺高校、大阪府立大手前高校、名古屋市立向陽高校、兵庫県神戸高校、東京都立戸山高校、早稲田本庄高校。
(領域アドバイザー、代表・中心研究者、大学院生といった20~80代までの幅広い年齢層の講師を派遣し、量子力学を中心とした講義を実施。講義+実験・デモンストレーション形式。出身高校のOBによる、研究者としてのキャリア教育を意識した講義も開講。)

