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量子ニュース

ニュースレター

量子情報処理プロジェクトでは、最新の活動をご紹介するため、ニュースレターを年4回発行しています。最近の研究結果、海外研究活動、プロジェクト会議報告、およびその他量子情報処理に関連するニュースをお知らせしています。

国際交流

International Friendship

アドバイザー 上村 洸(東京理科大学特別顧問)

訪問先: 2011年9月26日 ケンブリッジ大学キャベンディシュ研究所(Department of Physics)
2011年9月27日 東芝ケンブリッジ研究所
  • (写真1)

  • (写真2)

Cavendish Professor(第9代) Richard Friend博士の招きで、1974年-75年に客員研究所員として滞在し、Sir Nevill Mott(1977年ノーベル物理学賞受賞)と共同研究を行ったキャベンディシュ研究所(西ケンブリッジ・サイエンス・パーク)を9月26日に訪問した。1988年にケンブリッジ大学に創設され、日英半導体共同研究の折、しばしば訪れてMott先生と高温超伝導の議論をしたInterdisciplinary Research Centre in Superconductivityが、世代が変わり改組されたとの情報を耳にしたので、まず副所長兼半導体物理グループ長 のProfessor David Ritchieを訪ねて説明を伺った。創立150周年を迎える2024年に向けて、世界をリードし続けようとする教育・研究への大胆な取り組みについての説明を聞き、さすがは世界に冠たる物理学の研究所と感銘を受けた。その中での顕著な変革の一つは、物理学が主役であった20世紀に対し、21世紀の主役はBiologyであるとの観点から、物理学、生物学、医学の接点として、物理、化学、生物、遺伝、生化学、臨床医学、理論物理並びに計算物理の研究者を選抜してinterdisciplinary centreを設立し、この壮大な横断的研究・教育を実施するためのPhysics of Medicineの建物をCavendish研の一部として、玄関前に建てたことである(写真1)。その他、1974年に街中から西ケンブリッジ・サイエンス・パークに引っ越しをした新Cavendish Laboratoryにおける組織も、40年未満で大幅に改組されていた。私もしばしば訪れた超伝導研究センターの建物は、ソフト物性物理やポリマーの研究棟に変わり、Kapitza Buildingと名称が変わっていた。Mott先生がCavendish professor時代に創設した半導体物理グループでも、量子コンピューターの基礎研究などは、院生、ポスドクがCavendishのクリーン・ルームで作成した量子ドットなどのナノ材料を元に、東芝ケンブリッジ研究所(ケンブリッジ東のサイエンス・パーク)でtenureの研究者達と共同で研究を行い、日本とは異なる産学連携の新スタイルで研究が活発に進められていた。その様子を見たいと思い、9月27日には、内古賀修一副所長(工学博士)の案内で、東芝ケンブリッジ研究所を訪問した。研究所では、Quantum InformationグループのリーダーDr. Andrew Shieldsとも十数年ぶりに再会し、情報通信研究機構の佐々木雅英博士のグループとの量子版コヒーレント通信に関する日英共同研究について詳しい説明を聞き、これからもこの共同研究を大いに推進したいとの熱意を伺って、大変嬉しく思った。今後ともこの国際共同研究が、「量子情報処理プロジェクト」の「量子通信」グループによる国際交流活動を通して、大いに発展することを切に願っている。
ケンブリッジを訪問する直前に、ワルシャワで開催された欧州物質科学会・秋の総会で招待講演を行ったが、この時も、1988年にIUPAP半導体コミッション委員長としてワルシャワで開催した半導体物理学国際会議で、共に会議の運営に携わった当時のポーランドの若手物理学者達が今や学界トップのリーダーとして活躍し、会場に来られて再会できたことは望外の喜びであった。今回の海外出張で最も強く印象に残ったことは、物理学の研究をグローバルに推進するのに、”International Friendship” が如何に大切かということであった。

写真1: 正面ガラス張りのPhysics of Medicine の建物。(西向きで、日除けのためか、或いは飾りのためか、外側に板状のスチール材が取り付けれていて、建物を大変美しく見せていた)
写真2: 在りし日のMott先生と共に。1995年当時超伝導研究センターと呼ばれた建物(現Kapitza Building)の玄関前で(1995年3月3日撮影。Mott先生当時89歳)。先生の左隣は、当時東芝ケンブリッジ研究センター研究所員・黒部 篤理学博士(現東芝セミコンダクター&ストレージ社半導体研究開発センター・センター長)

書籍

古澤 明、ファンルック ピーター

A. Furusawa and P. van Loock
“Quantum Teleportation and Entanglement” (Wiley-VCH)

概要
実験家と理論家が共著というユニークなモノグラフであり、量子テレポーテーションを基本的なサブルーチンとし、多者間量子エンタングルメントをリソースとした、ユニバーサル量子情報処理について解説している。また、測定誘起型量子情報処理への光学的アプローチについても解説している。ここで、量子誤り訂正を含んだ多くの実験の大半を著者自身で行っている。
この本は理論的背景から実験の詳細まで、著者の実験セットアップのイラストを多数用いて解説している。
物理学、理論量子光学、量子力学、量子情報の研究者、大学院学生対象。

活動実績一覧

この活動実績一覧は、FIRST量子情報処理プロジェクトメンバーによって実施された、刊行物、会議でのプレゼンテーション、メディア発表、投稿論文、出願特許、およびシンポジウムでの概要、等になります。

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