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量子情報レクチャーシリーズ

科学技術の最先端研究の内容を広く国民の皆様に知って頂けるよう地道な活動をしていくことが重要性を増しています。最先端研究開発支援プログラム「量子情報処理プロジェクト」でも、科学技術振興機構(JST)や国立情報学研究所(NII)の協力を得て、小・中・高校生を対象とした取り組みや一般市民を対象とした取り組みを積極的に進めていく所存です。同時に、未来の研究者を目指す学部学生や大学院生、すでにプロとなった企業の研究者や技術者が、効率よく最先端の知識を獲得するお手伝いをすることも私達の大切な仕事であると考えます。
量子情報処理のような学際的な最先端研究分野を目指す学部学生、大学院生、企業の研究者、技術者にとって、その背景となる基礎知識を体系的に身につけることは容易なことではありません。独学する際に頼りとなるべき教科書は比較的古い内容に立脚されており、研究の現状からかなりかけ離れています。また、それぞれの大学の関連した分野の講義と言えども、一人の講師が量子情報という広い分野で最新の知識を体系的にレクチャーすることは容易なことではありません。
最先端研究開発支援プログラム「量子情報処理プロジェクト」では、このような状況に鑑み、量子情報レクチャーシリーズを電子出版することにしました。関連する重要なテーマ毎に講義ノートを作成・配信し、各大学での講義、各研究室での輪講、研究者の研究活動の支援などの為に使って頂こうと考えています。

QIS385 ボーズアインシュタイン凝縮と物質波レーザー

著者:山本喜久

1925年に予言されたボーズアインシュタイン凝縮は、液体ヘリウムの超流動現象を別にすれば、実験的検証が得られないまま70年の歳月が流れた物理学上最も困難な実験テーマの1つであった。しかし、レーザー冷却された中性原子でボーズアインシュタイン凝縮が1995年に実現されると、量子縮退したボーズ気体に関する研究は大きく進展した。また、最近では半導体中の励起子ポラリトンの動的凝縮も実現されるようになり、非平衡開放系の物質波レーザーとして注目を集めている。この講義では、熱平衡下でのボーズアインシュタイン凝縮、超流動、BCS相転移などの理論と実験を概観した後、物質波レーザーの量子論を展開し、最後に励起子ポラリトンの動的凝縮とその量子シミュレーションへの応用の可能性を探る。
【本文193ページ、図116枚】

「雑音過程の基礎」

著者:山本喜久

微弱な信号を検出しようとする実験においては、常に対象とするシステムの観測量(電流、電圧、振幅、位相、位置、運動量、軌道およびスピン角運動量など)にわずかに存在するゆらぎにより、その測定限昇が決定されます。このわずかなゆらぎは雑音と呼ばれ、熱雑音や量子雑音のような本質的に除去できないものと、1/f 雑音のようにシステムの欠陥によるものに分類されます。この講義ノートでは、まず雑音の数学的基礎、量子統計理論、等価回路表示を述べた後、代表的デバイス(抵抗体、pn 接合素子、MOS 構造、レーザー、パラメトリック発振器など)の雑音特性を明らかにします。最後に、雑音の様々な通信・情報処理システムへのインパクトを記述しました。具体的なシステムとして、光通信、量子暗号、量子中継、量子コンピューターを取り上げました。

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